大正琴の独特な音色のヒミツ

⑤音色の魅力

大正琴の魅力について、これまで①演奏がカンタン、②五線譜が読めなくても弾ける、③楽器が小型軽量、④安価で手に入れやすいを挙げました。さらに⑤大正琴の音色が持つ魅力も忘れてはなりません。

音色のヒミツ① 複弦の効果
大正琴は同じ音の高さにチューニングしたメロディー弦(1~3弦)を同時に鳴らします。
これを「複弦」というのですが、単に音を大きくするだけでなく、余韻が伸びて、音色も変わってくる効果があります。

https://sgw.nipponsteel.com/story/music/02.html

音色のヒミツ② オクターブ違いの調弦
1~3弦と4弦との間でオクターブ違いの調弦になっていることで、常に強烈な倍音が鳴っているような状態になります。これにより、「パンチのきいたシャープな音色」が生み出されます。
この調弦になったのは大正時代おわりの3弦時代…
当時の日本人に好まれた音色ですが、現代ではクセが強いと感じる人もいて、好みが分かれるところです。

楽器の音色を決める要素が「倍音」
同じ大きさ、同じ高さの音でも楽器によって音色が違ってくるのは、その音に含まれる倍音の構成が異なるためです。音響学では、音色と倍音の関係について次のようにまとめられます。
①偶数倍音多め⇒複雑で豊かな音色(例:サックス)
②奇数倍音多め⇒シンプルで明瞭感のある音色(例:クラリネット)
大正琴はオクターブの調弦をするから、①のタイプになるでしょうか?
たしかに、大正琴の音色を「複雑な音色」と言うこともできますね。

1オクターブ違いの「複弦」を持つ楽器
大正琴と同じ1オクターブ違いの「複弦」を持つ楽器に「ポルトガルギター」があります。
大正琴と同様、哀愁ある音色に感じますね。

プロモーション戦略における音色の考え方 2パターン
大正琴を売り出す際に音色をどう扱うかについては、つぎの2パターンが考えられます。
パターン① 大正琴の音色を活かす
パターン② 需要に大正琴の音色を合わせる
①は大正琴独特な音色に合う曲を探して、あるいは制作して発信する方法。特に生音において、大正琴の音色にマッチする曲は絞り込まれるだけに、ピタッとハマれば、他の楽器には代えがたい強みになり得ます。
②は現代流行りの曲調に合わせた音色にする方法。個人的には、オクターブ違いの調弦ではなく、同じ音の高さにした方がクセのない合わせやすい音になると思います。

4弦を抜いて「ハイソプラノ」にした演奏例

また後述しますが、エレキのエフェクトを使えば、色んなバリエーションができて、幅広いジャンルに対応できそうです。もしバンドに使うならエレキ大正琴が便利ですね。

この場合のデメリットは、「大正琴らしさがなくなる」「大正琴でなければいけない理由」が弱くなってしまう点です。要は、「エレキギターで良いじゃん」ということです。

音色は好みの問題
大正琴の独特な音色は「複弦」と「オクターブ違いの調弦」によって生み出されます。この音色をどう扱うかはとても難しいです。なぜなら音色の好き嫌いは好み(主観)の問題であり、人によって正解が異なるからです。
次回は、大正琴の「生音派」vs「エレキ派」のお話をしたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました